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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
NO14
げのむトーク 
ビタミンB1が欠乏するとなぜ脚気になるの 

父: 脚気の歴史の話だったね。江戸時代に精米の技術が開発され、
   白米を食べるようになって、多くの患者が出た。「江戸患い」と
   呼ばれたね。うんと後になって分かったのだけど、
   ビタミンB1が米ぬかに多く含まれていたのだ。

娘: 戦争の時も、脚気の患者が出たんでしょう?

父: そう。日清戦争や日露戦争のときに、陸軍や海軍で多くの患者が出た。
   海軍では、麦飯にすると脚気が予防できることに気づき、
   患者が激減した。ところが陸軍では、
   海軍の言うことなんか聞けるかというわけで、麦飯作戦が採用されず、
   多くの患者と死者を出し続けた。そのころはまだ、
   微量栄養素という考えがなく、学会でも伝染病説や中毒説や
   栄養障害説(三大栄養素バランス説)などで混乱していたのだ。

娘: 結局、ビタミンB1は誰が発見したの?

父: 海軍軍医の「高木兼寛」が、ビタミンの先駆的な業績をあげたのは大きいね。
   その後、[鈴木梅太郎」が米ぬかから抗脚気物質を抽出し、
   オリザニンと命名した。これがビタミンB1。1910年のことだ。

娘: すごいね。なぜそんなすごい研究が日本で行われたの?

父: 西洋式のパン食(と副食)ではビタミンB1欠乏は起こりにくく、
   ほとんど研究されなかったんだ。米食でも、精米技術が開発されないと、
   脚気はあまり問題にならなかっただろうね。

娘: その後は脚気はなくなったの?

父: 確かに減ったが、完全にはなくならなかった。原因は、栄養状態の悪さと、
   ビタミンB1が高価だったこと、もともと吸収がよくないこと、などにあった。
   脚気が根絶されたのは、「安定で吸収のよいB1誘導体(アリナミンなど)」
   が開発されてからだ(1952年)。

娘: ところが、最近脚気が再燃しているって聞いたよ。

父: そうなのだ。原因は、インスタント食品などのジャンクフードばかり食べて、
   副食が少ないこと。とくに、糖質を多く摂ると、ビタミンB1が多く必要なんだ。

娘: どうして?

父: ビタミンB1は、主に「糖質の代謝(酸化)に働く」からだ。
   「アルコールの代謝」にも必要なので、アルコールをよく飲む人は不足しやすい。

娘: ところで、ビタミンB1が欠乏すると、なぜ脚気になるの?

父: よい質問だ。どんな臓器も細胞もエネルギーが必要だが、
   その中で最もエネルギーを多く使う臓器・細胞は何と思う?

娘: うーん。筋肉でしょう?

父: 半分アタリ! 「筋肉と神経」なんだ。そうすると、末梢神経や
   脳(中枢神経)や心臓(心筋)が主にやられるのが分かるね。

娘: 理屈が分かると面白いね! ところで、ビタミンB1はどんな食品に多いの?

父: 肉類、胚芽(米ぬか)、豆類、牛乳、野菜、酵母など。やはり、
   バランスのよい食事をしていると大丈夫だね。ちなみに、「ニンニク」は
   体によいといわれるが、B1との関係は知っている?

娘: ニンニクに含まれる「アリシン」という物質と結合して、
   利用されやすくなると習ったよ。

父: そのとおり。B1とアリシンが結合して、安定なアリチアミンになる。
   さて、調理で気をつけることは知ってる?

娘: B1は水に溶けやすいので、食材を水洗いするときはサッと洗うこと。
   煮汁などに出るので、それを使うこと。

父: よく出来ました!!


米ぬかの重要性、理解していた
つもりですが、ここまですごいとは
脱帽ですね。これからはお米の精米を
依頼されたとき、どれほどの搗きかたに
した方がいいのか確認することにします。
現在は「アリナミン」などが有り、
いつの間にか健康食品に頼っていた
自分を反省いたします。
ビタミンB1は肉類、胚芽(米ぬか)、
豆類、牛乳、野菜、酵母など。
やはり、バランスのよい食事を
いつも心がけないといけませんね。
昔ながらの精米機で搗く、「森の精霊」
少数のお客様だけにお届けしています。
おかげさまで完売しています。