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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No30
げのむトーク 

窒素の捨て方は動物によっていろいろ

 娘: ヒトは余分の窒素を尿素にして捨てるけど、ほかの動物も同じなの?

 父: それが違うのだ。動物の中には、余った窒素を尿素の形で捨てる「尿素排出動物」のほかに、
     アンモニアの形で捨てる「アンモニア排出動物」と、尿酸の形で捨てる「尿酸排出動物」がある。

 娘: へー いろいろあるんだ。余ったアミノ酸が分解されると、
    窒素はまずアンモニアになるという話だったよね(29回)。このアンモニアを
    そのまま捨てると簡単だけど、「アンモニア排出動物」はそうなの?

 父: そのとおり。水中に棲んでいる動物のほとんどはアンモニア排出型だ。
    脊椎動物では魚類の大部分と、オタマジャクシなど両生類の幼生がそうだ。
    水中に棲んでいる無脊椎動物のほとんどもアンモニア排出型で、
    なじみの深いものにはタコ、イカ、貝類、クラゲなどがある。
    水中ではアンモニアを絶えず排出することが出来、大量の水で希釈されるので、
    自分の排出物で毒される危険がない。

 娘: なるほど。ということは、陸上に棲んでいる動物はアンモニアで捨てることが出来ない。
    そこで尿素が登場するわけね。

 父: そうなのだ。われわれヒトは、体内で生じた有毒なアンモニアを無毒な尿素に変えて捨てる
    「尿素排出動物」の仲間だ。哺乳動物はすべて尿素排出型だが、
    そのほかには爬虫類のカメ類の一部や、両生類のなかのカエルなどがあるな。

 娘: カエルの話だけど、水中に棲んでいるオタマジャクシはアンモニアとして捨てるけど、
     カエルになって陸上に上がると尿素として捨てるようになるわけね!

 父: そのとおり。オタマジャクシからカエルに変態するときに、尿素を合成する
    「尿素回路酵素」が肝臓で合成されて、尿素を合成できるようになる。ところで、
    尿素排出動物の中にも変わり者がいるよ。サメなどの軟骨魚類は、
    海中に棲んでいるのに、尿素を排出するのだ。

 娘: 今までの話と合わないね。アンモニアを捨てれば簡単なのに、どうして?

 父: 実は、サメなどは大量の尿素を合成して体内に保持し、体液の浸透圧を
    海水の浸透圧と同じに保つ働きをしている。こういう動物を特別に
    「尿素浸透圧動物」とよんでいる。ところで、サメ肉は「湯引き(熱湯でゆでる)」したのが
    マーケットに売っているが、どうして湯引きするか知っている?

 娘: 考えたこともないな。どうしてなの?

 父: 新鮮なサメの肉は刺身で食べられるが、しばらくするとアンモニアの刺激臭がして
    食べられなくなるらしい。これは、サメ肉に含まれる尿素が細菌によって分解されて、
    アンモニアが発生するためなんだ。湯引きすると尿素が洗い出されるので、
    アンモニアが出る心配がなくなるというわけだ。

 娘: わー すごく面白いね。ハナシのネタに使っちゃおう!
     アンモニア排出動物と 尿素排出動物は分かったので、次回は「尿酸排出動物」ね。



体内で生じた有毒なアンモニアを色々な形に変え
生きる生命体の不思議を痛感したNo30章でした。
写真は霜の打たれた散る前のオレンジコスモスです。
私達は、体内で生じた有毒なアンモニアを無毒な尿素に
変えて捨てる、「尿素排出動物」の仲間で、哺乳動物は
すべて尿素排出型なのですが、水中に棲んでいる動物の
ほとんどはアンモニア排出型だそうですね。
脊椎動物では魚類の大部分と、オタマジャクシなどの
両生類の幼生、それに水中に棲んでいる無脊椎動物の
ほとんどもアンモニア排出型で、タコ、イカ、貝類、
クラゲなどがあるそうです。水中ではアンモニアを
絶えず排出することが出来、大量の水で希釈されるので、
自分の排出物で毒される危険がないそうです。
オタマジャクシからカエルに変態するときに、
尿素を合成する「尿素回路酵素」が肝臓で合成されて、
尿素を合成できるようになる。ところで、 尿素排出動物の
中にも変わり者がいて、サメなどの軟骨魚類は、
海中に棲んでいるのに、尿素を排出して大量の尿素を
合成して体内に保持し、体液の浸透圧を海水の浸透圧と
同じに保つ働きをしている動物を特別に
「尿素浸透圧動物」とよんでいるそうですね。