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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No27
げのむトーク 
ステロイド剤はもろ刃の剣

 娘: 「ステロイド(ステロイド系抗炎症薬、ステロイド剤)」は万能薬といわれているけど、
    どんな病気に使われるの?

 父: 「重症の感染症」や「アレルギー性疾患(気管支喘息など)」から、「皮膚炎」、「湿疹」、
     「虫さされ」のようなありふれた病気まで使われる。
    感染症の場合は、抗生物質や抗ウイルス薬と併用することが必要だ。

 娘: どうして効くの?

 父: 炎症を引き起こす物質の「プロスタグランジン類」を覚えているかい?(第25回)。
    ステロイドはプロスタグランジン類の合成を抑えることによって、炎症を抑えるのだ。

 娘: ということは、アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬の働きと同じなの?

 父: 結果的には同じだけど、働く標的が違う。
     非ステロイド薬はアラキドン酸からプロスタグランジン類が出来るのを阻害するが、
     ステロイドはアラキドン酸が出来るのを阻害する。

 娘: それで、どちらも抗炎症作用があるのが分かった。ところで、
     ステロイドは「膠原病」にも使われるのでしょう?

 父: 大切なところだ。
    膠原病は「自己免疫疾患」で、全身性エリトマトーデスやリウマチ性疾患などもあるな。
    ステロイドは炎症を抑える作用に加えて、「免疫を抑える作用」もある
    (両方の作用はお互いに関係がある)。細かくなるけど、
     ステロイドは免疫に関係する遺伝子の働きを抑えるんだ。

 娘: ステロイドはまるでスーパーマンみたいだけど、副作用も強いのでしょう?

 父: そのとおり。糖質コルチコイドが過剰になるので、「クッシング症候群」と同じように、
    満月顔、浮腫、高血圧などの副作用が出る。また、
    副腎(腎臓の上にある小さい臓器)皮質が糖質コルチコイドを作らなくなるので、
    萎縮する。胃潰瘍や骨粗しょう症なども起こるな。

 娘: それで「もろ刃の剣」といわれるのね。飲み薬はこわいけど、
    塗り薬は安全と聞いたけど、そうなの?

 父: 一般的にはそうだけど、塗り薬でも使いすぎると、顔面などに「ステロイド皮膚炎」を起こし、
    治りにくいので注意が必要だ。気管支喘息に使うステロイド吸入剤は、
    あまり血中に移行しないので、比較的安全なことが分かっている。また、
    ごく短期間(3日以内)使う分には、副作用が少ない。
    ちょっと長く使って薬を減らす時、減らし方が難しいといわれている。

 娘: 要するに、「ステロイドの使い方は大変難しいので、医師の指示に従いなさい」ということでしょう?

 父: それを言おうと思っていたのに、先を越されたな!

「ステロイド(ステロイド系抗炎症薬、ステロイド剤)」は
万能薬と言われるくらい、
いろいろな病気に効くらしいけど、なんだか、
おおもとの動きを抑える作用があるようですね。
「ステロイドの使い方は大変難しいので、
医師の指示に従いなさい」とのお話、そうですね。
本当に使い方では怖い薬になったりするのですよ。
これは我が家の話ですが、
義母が死去した後、義父は疲れが出たのか、
掛かり付けの病院で御薬を頂き、飲んでいましたが
満月顔、高血圧などの副作用が出て、
歩行も普通に歩くことができなくなりました。
とてもおかしいと言うことで
御薬を止めさせた所、1週間ほどで正常な
状態に戻りましたよ。その時の御薬が
どのようなものか私にはわかりませんが
副作用とはとても怖いものだと言う事を
知りました。森先生のお話で薬品名を少し
気にかて薬袋の中の説明文を読む様になりました。