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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No28
げのむトーク 

保湿クリームに尿素が入っているのはなぜ?

 娘: 「尿素」の話に戻るけど、体で余った窒素を尿素に変えて尿中に捨てるんだったよね。
    尿素は臭いの?

 父: そう思っている人もあるようだけど、尿素は臭くない。
    尿素の結晶は無色無臭のきれいな結晶で、水に大変よく溶ける。
    室温で、100mlの水になんと100gくらい溶けるんだ。

 娘: 高校のときに、ヴェーラーという人が「尿素を化学合成」して、有機化合物が
    合成できることを発見したと習ったよ。

 父: そうなんだ。1928年のことで、有機化学の夜明けともいえるな。その当時は、
    有機化合物(生物が作る炭素を含む化合物)は生物しか作れないと
    考えられていた(生気論)。ヴェーラーは無機化合物のシアン酸アンモニウムから
    有機化合物の尿素を合成して、生気論をくつがえした。

 娘: 歴史的な発見ね。ところで、愛用している「保湿クリーム」に尿素が入っているけど、なぜ?

 父: 「尿素入りクリーム」だね。尿素は保湿作用があり、肌の潤いを保つ働きがある。また、
     「タンパク質を変性して溶かす作用」があるので、皮膚表面の角質の古い細胞や
    タンパク質を溶かして取り除くことが出来る。

 娘: それで、角化したカサカサの皮膚がスベスベになるのね。
     話は変わるけど「尿素樹脂」は尿素から作るの?

 父: そのとおり。尿素とホルムアルデヒドを混合して重合させて作る。
     プラスチックの原料として工業的にも重要だ。

 娘: 尿素からプラスチックが出来るなんて不思議ね。尿素についてほかにも話題はある?

 父: 尿素は植物の「肥料」としても使われる。以前は窒素源としてもっぱら
    硫酸アンモニウム(硫安)が使われたが、硫安は土壌を酸性化するので最近では尿素が
    よく用いられる。また、実は、「家畜の飼料」にも尿素が入っているんだ。
    畜産では飼料中のタンパク質をいかに安くするかが問題だが、
    動物は尿素から一部のアミノ酸(非必須アミノ酸)を合成できるのを利用して安価な尿素を
    加えている。しかし、たくさん加えすぎると害があるので、加える量は微妙らしい。

 娘: 尿素にはいろいろ面白い話があって、びっくりしたな。

 父: ヒトは余分の窒素を尿素に変えて捨てるけど、
    余分の窒素をアンモニアとして捨てる動物や、尿酸にして捨てる動物もあるんだ。
    次回はこの話をしよう。



モチの木には赤い実が鈴なりです
保湿クリームは女性にとって
欠かせない物ですよね。
尿素とは保湿作用があり、肌の潤いを
保つ働きがあり、 「タンパク質を変性して
溶かす作用」があるので、皮膚表面の
角質の古い細胞や タンパク質を
溶かして取り除くことが出来る
働きがあるのですって。
だから肌つるつるの少し綺麗になった
感じがするのですよね。
そんな働きをする尿素はプラスチックの
原料になったり、肥料として使われたり、
いろいろな分野に活用されるのですね。
本当にびっくりの連続です、
森先生 ありがとうございます。