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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No35
げのむトーク 

イヌやネコは痛風にならない


 娘: イヌやネコは「痛風」にならないってほんと?

 父: ほんとうだ。イヌやネコの血液には「尿酸」がほとんどない。

 娘: でも、それってヘンじゃない? だって、イヌにもネコにも核酸やATPはあるし、
    それに含まれているプリン体が分解して尿酸になるんでしょう?

 父: そのとおり。イヌでもネコでも尿酸が出来る。ところが、イヌやネコは、尿酸をさらに分解する
    「尿酸オキシダーゼ」(「ウリカーゼ」ともよばれる)という酵素を持っていて、
    尿酸を「アラントイン」という物質に変えて捨てるんだ。
    尿酸はほとんど水に溶けないけど、アラントインは水によく溶ける。

 娘: へー。プリン体の捨て方が動物によって違うのは面白いね。
    プリン体を尿酸として捨てる動物は、ヒトのほかにはどんな動物がいるの?

 父: 霊長類(サルの仲間)がそうだ。つまり、尿酸で捨てるのはヒトなどの霊長類だけで、
    そのほかのすべての哺乳動物は、尿酸オキシダーゼを持っていて、アラントインとして捨てる。

 娘: どうして霊長類だけ尿酸オキシダーゼを持っていないの?

 父: 哺乳類が進化して霊長類が生じたころに、尿酸オキシダーゼを失って、
    プリン体を尿酸として捨てるようになった。

 娘; あっ! それって「ビタミンC]の話とよく似ているね! 
    「霊長類が生じたころに、ビタミンC合成酵素を失って、ビタミンCをビタミンとして
    摂らねばならなく なった」という話だったよね(12回を見てください)。

 父: すごーい!! そのとおりだ。覚えていてくれてうれしいね!ヒトのゲノム(すべての遺伝子)を
    調べてみると、尿酸オキシダーゼの遺伝子があることが分かった。しかし、
    少し壊れていて、尿酸オキシダーゼという酵素を作る働きは失われている。

 娘: ビタミンC合成酵素の遺伝子の話とほんとに同じね!またまた遺伝子のゴミ(ジャンク)ね。
    でも、尿酸を捨てるようになったのは、なにか有利な点があるの?

 父: それは分かっていない。アラントインで捨てても、尿酸で捨てても、
    おおきな利益や不利益はないので、たまたま尿酸で捨てるようになったのではないか、
    と考えられている。痛風の問題はあるけど、動物が生きるか死ぬかという問題を考えると、
    大きな問題ではないとも考えられる。

 娘: 尿酸は抗酸化物質だって、どこかで読んだ気がするけどーーーーー。

 父: 尿酸に抗酸化作用があるのは本当で、尿酸オキシダーゼを失ったほうが有利だと
    いう考え方もある。しかし、ちゃんとした証拠はないと思う。
    イヌやネコが、 抗酸化活性が弱いとも思えないしね。

 娘: 今日最後の質問。仕事をバリバリやっている人のほうが、尿酸値が高いと聞いたけど、ほんと?

 父: いろいろよく知っているね。以前に、社会における活躍度と尿酸値の関係を調べた
    研究があって、活躍している人ほど尿酸値が高い傾向があるとの結果が出たらしい。
    しかし、活躍している人は一般に裕福で、食事も贅沢でプリン体を多く含む食事が多いので、
    尿酸値が高くなりやすいのだろうと考えられている。つまり、
    活躍度と尿酸値の間には直接の関係ないと思うよ。

 娘: そうだよね。尿酸値が低くても、仕事をバリバリやっている人はたくさんいるよ。
    仕事ができるかどうか、尿酸で判断されたらたまらないものね。



水の通る石橋、「通潤橋」は紅葉の中
モチの木の赤い実達に見守られながら
どっしりとたたずんでいました。
森先生 こんにちは
イヌやネコは「痛風」にならないっていいですね。
イヌやネコの血液には「尿酸」が無いのですか。
不思議ですね、同じ生命をもった動物なのに?
人間より犬や猫の方が進化しているみたいですね。
私も「痛風」ではありませんが指や関節が大きくなり
始め、時々、痛みます。病院の先生曰く、
年寄り病ですって。コレ、「痛風」とは関係ないそうです。
イヌやネコでも尿酸が出来るけど、イヌやネコは、
尿酸をさらに分解する「尿酸オキシダーゼ」
という酵素を持っていて、尿酸を「アラントイン」と
いう物質に変えて捨てるんですって。
尿酸はほとんど水に溶けないけど、アラントインは
水によく溶るそうですね。霊長類だけが、尿酸で
プリン体を捨てるのですね。ほかのすべての
哺乳動物は、尿酸オキシダーゼを持っていて、
アラントインとして捨てる、 ビタミンC合成酵素の
遺伝子の話とほんとに同じで進化したのか、
退化したのか現在の尿酸を持つ霊長類になって
いるのですね、
教えて頂くたび生命の不思議さを感じます。