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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No36
げのむトーク 

個体発生は系統発生を繰り返す

 父: 窒素の捨て方が動物によって違い、アンモニアで捨てる動物と、尿素で捨てる動物と、
    尿酸で捨てる動物があるという話をしたね。この窒素の捨て方が、
    動物の進化に伴って変化したことがわかっているんだ。

 娘: 動物の進化というと、ヒトももとは魚類で、魚類が両生類に進化し、
    さらに哺乳類に進化したというようなこと?

 父: そのとおり。ヒトの祖先の魚類は海中に棲んでいたので、生じたアンモニアをそのまま海中に
    捨てていたと考えられる。これは、現在の魚類でも同じだね。ところが、魚類から両生類が出現し、
    大洋から陸上へ進出したとき、窒素排出はどうなったと思う?

 娘: 陸上ではアンモニアをそのまま捨てられないので、尿素に変えて捨てるようになったんでしょう?

 父: すばらしい。アンモニアから尿素を合成する能力を獲得し、尿素を合成して、
    一時的に体内に保留し、尿として捨てるようになった。つまり、
    アンモニア排出型から尿素排出型に進化したというわけだ。両生類から哺乳類に進化したときは、
    尿素排出型のままで変わらなかった。つまり、窒素の捨て方に関しては、ヒトもカエルも同じということだ。

 娘: ちょっと気がついたんだけど、オタマジャクシがカエルに変態するときも、
    アンモニア排出型から尿素排出型に変わるんだったよね?

 父: そうなんだ。実は、ヒトでも同じようなことが起こる。胎児は尿素を合成することが出来ず、
    胎児のアンモニアは母親の血液に移行し、母親が、自分が出すアンモニアと一緒に
    尿素に変換している。ところが、胎児は生まれるころに尿素を合成する能力を獲得し、
    生まれてからは尿素を捨てるようになる。

 娘: わー 面白いね! 動物の進化で起こったのと同じ変化が、カエルやヒトの一生でも起こるのね。

 父: 「個体発生は系統発生(進化)を繰り返す」という有名な説は知っている?
     ヒトの胎児の発生を見ると、発生初期の胚は鰓のある魚そっくりの姿をしており、
    哺乳類が魚類を経由して進化したことの証拠だと考えられている。そして、
    形だけではなく、代謝(窒素の捨て方)でも同じことが起こるというわけだ。

 娘: ヒトの発生の図は教科書で見たよ。
    最初はメダカみたいなのが赤ん坊の姿に変わっていくのはびっくりするね。ところで、
    尿酸を排出する動物の場合はどうなの?

 父: 両生類から爬虫類や鳥類に進化したときに、硬い卵(閉鎖卵)の中で発生する道を選んだ。
    前にも言ったと思うけど、閉鎖卵の中ではアンモニアも尿素も有毒だ。そこで、
    水に溶けない尿酸の固体として捨てる能力を獲得し、尿酸排泄型に進化したと考えられる。

 娘: 窒素ひとつ捨てるのにも、こんなドラマがあったんだね



自己流の我が家の菊達
また、来年はいい花を目指して
私にはだいぶんむずかしいテーマですが
窒素の捨て方が動物によって違い、
アンモニアで捨てる動物と、尿素で
捨てる動物と、尿酸で捨てる動物が
いるという事を「No35」教えて頂き、
この窒素の捨て方が、動物の進化に
伴って変化しているのだそうです。
ヒトの祖先の魚類は海中に棲んでいた
魚類は体の中で作られるアンモニアを
そのまま海中に捨てていたと考えられ
魚類から両生類が出現し、大洋から
陸上へ進出したとき、アンモニアから
尿素を合成する能力を獲得し、尿素を
合成して、一時的に体内に保留し、
尿として捨てるようになったそうです。
胎児は尿素を合成することが出来ず、
胎児のアンモニアは母親の血液に移行し、
自分が出すアンモニアと一緒に
尿素に変換している。ところが、胎児は
生まれるころに尿素を合成する能力を
獲得し、生まれてからは尿素を捨てるように
なるのです。これってすごいですね。
「個体発生は系統発生(進化)を繰り返す」
私の頭の隅に保存されたようです。