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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No69
げのむトーク

素焼きの茶色と青磁の淡青色は鉄の色


 娘: 前回は「鉄」の働きや、体内での鉄の動き(代謝)を勉強したけど、
     鉄はどれくらいとればいいの?

 父: 日本人の鉄の推奨量は、1日あたり成人男性が7.5mg、
     月経のある女性が10.5mgだ。また、妊娠中や授乳中の女性も
     多めにとる必要がある。

 娘: 前回、必要な量は1日に約1mgと聞いたけど、なぜ量が
     こんなにちがうの?

 父: よく気がついたね。鉄は吸収されにくく、「吸収率」は
     平均8%くらいだ。したがって、吸収できる量のおよそ10倍の鉄を
     摂取する必要がある。

 娘: そうなんだ。それで、日本人の「摂取量」は足りているの?

 父: 男性と月経のない女性は足りているけど、月経のある女性の
     充足率は70%くらいで、大幅に不足している。

 娘: ということは、ほとんどの若い女性が鉄欠乏状態ということね!
     そのほかにも、出血があると不足するのでしょう?

 父: そのとおり。胃かいようや痔などで出血を繰り返していると、
    「貯蔵鉄」がなくなって、「貧血」になることがある。

 娘: では、どんな食物を食べればいいの?

 父: 食物によって鉄の吸収率が違うので、鉄を多く含み、
     吸収率のよい食物をとることが大切だ。また難しくなるけど、
     鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、ヘム鉄のほうが
     非ヘム鉄より吸収率が数倍高い。

 娘: 「ヘム」は、「ヘモグロビン」や「ミオグロビン」などに含まれる
    赤い物質だったよね。

 父: そう。ヘム鉄は動物性食品の肉や魚に多く含まれているので、
     肉や魚を適度に食べることが大切だ。

 娘: では、非ヘム鉄はどんな食品に含まれるの?

 父: 非ヘム鉄は野菜や豆類などの植物性食品に含まれている。

 娘: 以前に、鉄には「酸化鉄(三価鉄)」と「還元鉄(二価鉄)」があり、
     還元鉄のほうが腸での吸収がよいという話だったね。だから、
     鉄剤を飲むときは「抗酸化作用(還元作用)」のある「ビタミンC」を
     一緒に飲むのでしょう?(第11回)

 父: よく覚えているね! だから、ビタミンCを含む新鮮な
     野菜や果物は、鉄の吸収をよくする効果がある。結局、
     動物性食品と植物性食品をバランスよく食べることが大切と
     いうことになるね。若い女性の鉄摂取量が不足しているといったが、
     もう一つ心配なのは、鉄の摂取量が年とともにどんどん
     減ってきているのだ。

 娘: わ〜大変だ! 理由は分かっているの?

 父: 食生活の変化もあるけど、生活様式の変化も関係がある。
     昔は、なべやフライパンや包丁や水道管が鉄製だったので、
     これらの器具から鉄をある程度とっていた。しかし最近は、
     これらの器具に鉄が使われなくなった。だから、鉄製の調理器具を
     使って、鉄を取り入れるのもよい方法と思う。

 娘: へ〜そんなことがあるのね!確かに以前は、鉄さびのある
     調理器具があったけど、今は見なくなったね。

 父: ところで、鉄さびが出たけど、鉄の色は面白いよ。
    ヘムが赤いことは言ったけど、酸化鉄と還元鉄の色は知っている?

 娘: 酸化鉄は鉄さびの色だから、茶色か褐色でしょう? 
    還元鉄の色は知らないな。

 父: 鉄の色はやきものに使われているよ。陶器の素焼きや
     鉄釉の褐色は酸化鉄の色だ。鉄の含量が少ないと淡い茶色になり、
     含量が多いと褐色になる。ところが、「青磁」の青色は還元鉄の色だよ。

 娘: えっ! 焼くということは酸化することと思うけど、
    どうして還元状態で焼けるの?

 父: うれしい質問だね。空気をいっぱい吹き込んで焼くと、
     鉄は酸化鉄となり、茶色が出る(「酸化焼成」という)。一方、
     ガス釜で空気を絞って焼くと還元鉄となり、淡青色が出る
     というわけだ(「還元焼成」という)。

 娘: へーそうなんだ。いいことを聞いちゃった。
3月に入っての大雪です。
我が家の前の「菜の花畑」
これから花が付こうとしていた所に
降る雪は菜の花を震えさせています
今回は”鉄の色”と言う事で
分かっているようで分からない。
「酸化鉄と還元鉄」の重要性。
「貯蔵鉄」と「貧血」の関係など
森先生のお話を参考に
貧血を無くすように食生活の
見直しをしましょうね。
この言葉は私自身に
当てはまる言葉です。