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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No70
げのむトーク

赤血球:胎児は酸素が少なくても平気なの?


 父: 前回、「鉄」が「赤血球」を作るのに欠かせないという話をしたので、
     今回は赤血球について勉強しよう。赤血球を一言で説明すると、
     どうなる?

 娘: 赤血球は血液中にあり、「酸素」を運搬する「ヘモグロビン」を含む
     細胞でしょう?

 父: よく出来ました! ヘモグロビンは「酸素運搬タンパク質」で、
     赤血球は大量のヘモグロビンを含んでいる。英語では
     red blood cell または erythrocyte (エリスロサイト)という が、
     エリスロ(赤い)サイト(細胞)という意味だ。

 娘: ヘモグロビンに含まれる「ヘム」(鉄を含む)が赤い色を
    しているのだったね。「動脈血」は明るい赤色をしているのに、
    「静脈血」は暗赤色をしているのはどうしてなの?

 父: ヘモグロビンは肺で酸素を結合して、その酸素を
    体のすみずみまで運ぶ働きをしている。ヘモグロビンに
    酸素が結合すると(「酸素化ヘモグロビン」という)明るい赤となり、
    酸素を離すと暗い赤となる。

 娘: ヘモグロビンは動脈血中では酸素を多く結合しており、 
    静脈血中では酸素をあまり結合していないのね。実際には、
    酸素をどれくらい結合しているの?

 父: 肺ではヘモグロビンの100%近くが酸素を結合して動脈を流れ、
    組織に酸素の約35%を供給し、残りの約65%の酸素を
    結合した形で、肺に戻る。

 娘: せっかくヘモグロビンに結合した酸素の35%しか配らないのは
    効率が悪いと思うけど、どうして?

 父: よい質問だ。普通の時はそうだけど、運動すると酸素が
     たくさんいるので、もっと多くの酸素を供給するようになる。

 娘: なるほど。普段のときは、いざという時のために、
     余裕を残しておくわけね! ところで、前から気になっていたのだけど、
    「胎児」は酸素が少ないはずなのに、どうして大丈夫なの?

 父: またまたよい質問だ。胎児は肺で呼吸できないので、
    母親の血液から酸素をもらっている。胎盤において、
    母親のヘモグロビンから胎児のヘモグロビンへ酸素が渡される。
    だから、酸素は確かに少ないけど(正確には「酸素分圧」が低い)、
    少ない酸素をうまく利用する仕組みがある。1つは、胎児は
    ヘモグロビンの量が多く、酸素を多く運ぶことが出来る。

 娘: 1つはということは、他にもあるのね。

 父: そう。もう1つは、説明が難しいけど、胎児のヘモグロビン
    (「胎児ヘモグロビン」という)は成人のヘモグロビンと少し異なり
    (遺伝子も異なる)、酸素濃度(正確には酸素分圧)が低いところで、
    酸素を結合したり離したりしやすい性質を持っているのだ。

 娘: そうなんだ。胎児ヘモグロビンが「成人型ヘモグロビン」に
     置き換わるのね! 体はほんとにうまくできているね。ところで、
     赤血球は血液中にどれくらいあるの?

 父: まず容量だけど、赤血球は血液の約45%を占める。
     この値は「ヘマトクリット」と呼ばれる。

 娘: 血液の半分近くが赤血球とはびっくりするね! 
     ヘマトクリットは、たしか「貧血」のとき低下するよね。
     ところで、赤血球の数はいくらあるの?

 父: ちょっと長くなるので、次回にしよう。
「鉄」が「赤血球」を作るのに欠かせ
ないということと、赤血球は血液中
で、「酸素」を運搬する
「ヘモグロビン」を
含む細胞なんですよね。
動物も人間も血液中の細胞はだいたい同じでしょうから
寒さに震える肥後の赤牛達も
赤血球が沢山あるのでしょうね。
雪を見る牛の子「べえちゃん」です。
隣の牛の子です。