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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No56
げのむトーク

  血友病はなぜ男性に多い?
 

 父: 「血友病」の原因である「第VIII因子」の遺伝子も「第IX因子」の
    遺伝子も「X(エックス)染色体」の上に存在する。X染色体の上にある
    遺伝子の異常(変異)によって起こる病気を「X染色体連鎖遺伝病」と
    呼び、血友病はその一つだ。男性に多く、性染色体と一緒に
    遺伝するので、「伴性遺伝病」とも呼ばれる。ところで、男性と女性の
    性染色体は知っている?

 娘: 知っているよ。男性はX染色体一本とY染色体一本で、女性は
    X染色体が二本でしょう?

 父: そのとおり。通常、男性はXY,女性はXXと表す。それでは、
    男性のX染色体の上にのっている遺伝子が異常になると、
    どうなると思う?

 娘: 男性はX染色体が一本で、その上にのっている遺伝子も一個
    なので、病気になるのね?

 父: そのとおり。では女性ではどうなると思う?

 娘: 女性はX染色体が二本あり、遺伝子も二つあるので、そのうちの
    一個が異常になっても、もう一個が正常なら、病気にならないと思う。

 父: ほとんどそのとおりだ。女性の二つの遺伝子にうち、
    一つが正常で、あと一つが異常な場合を「ヘテロ接合体」とよぶ。
    両方とも正常な場合を「正常ホモ接合体」といい、両方とも異常な場合を
    「異常(変異)ホモ接合体」という。しかし一般に「ホモ接合体」というと、
    異常ホモ接合体を指す。

 娘: 「メンデル」の「遺伝の法則」のところで習ったのとほとんど同じね!

 父: よく気がついたね! 遺伝の法則は、エンドウマメもヒトも
     基本的には同じで、ヒトの遺伝病も基本的にはメンデルの法則に
     したがって遺伝するよ。

 娘: わーそうなんだ! ところで、さきほど”ほとんどそのとおり”と
    言ったけど、どういう意味なの?

 父: 多くのX連鎖遺伝病では、ヘテロ接合体の女性は発症せず、
    「保因者」になる。このような病気を「X連鎖劣性遺伝病」という。
    血友病がそうだね。しかし、いくつかの遺伝病では、ヘテロ接合体でも
    ある割合で発症することがある。このような病気を
    「X染色体連鎖優性遺伝病」という。

 娘: 女性の二つの遺伝子が両方とも異常になっても
    発症するでしょう?

 父: そのとおり。しかしきわめて稀で、血友病のおよそ1%を占める。

 娘: 父親が血友病の場合、子供に発症せず、男孫が発症すると
    聞いたけど、どうして?

 父: よい質問だ。それはX染色体の遺伝形式による。図を書くと
    分かりやすいのだが、父親のX染色体は娘に伝わり、息子には
    絶対に伝わらない。一方、母親の2本のX染色体は、息子と娘に
    伝わる。したがって、父親が血友病の場合、そのX染色体
    (とその上に存在する遺伝子)は娘に伝わって保因者となる。そして、
    娘の異常X染色体がその息子、すなわち男孫に伝わると、発症する
    ことになる。一般に「隔世遺伝」とよばれているね。

 娘: それでよく分かったわ。では、血友病の人の祖先には
    必ず血友病の人がいるの?

 父: 多くの場合は、家族歴があるが、血友病のおよそ30%の人は
    家族歴がなく、遺伝子の突然変異によって新しく生じたと考えられる。
    一旦変異が生じると、その変異遺伝子は子孫に遺伝していくことになる。

 娘: 遺伝病が新しく生じることがあるのね! 

 父: 遺伝病が新しく生じる割合は、遺伝病の種類によって違うことが
    分かっている。

 娘: 血友病はどれくらいの割合で起こるの?

 父: 血友病の頻度は、男性1万人に一人くらいだ。「血友病A」が
    「血友病B」より5倍くらい多い。

 娘: 結構多いのね。よい治療法はあるの?

 父: 欠損している血液凝固因子(第VIII因子、または第IX因子)を
    注射する「補充療法」が有効だ。かつては致死的な病気と考えられて
    いたが、現在では補充療法により、健康な人とほとんど同じ生活が
    可能になっている。

 娘: 血友病というと、「エイズ」で問題になったよね?

 父: そのとおり。かつて、血友病治療用の「血液製剤」(非加熱製剤)に
    エイズウイルス(HIV)が混入していたため、血友病患者がエイズに
    感染した「薬害エイズ事件」が発生した。しかし、現在では「加熱製剤」が
    用いられるので、感染の心配はない。さらに安全性の高い
    「遺伝子組み換え因子製剤」が使えるようになっているよ。

 娘: 遺伝子組み換え技術がいろいろなところで利用されているけど、
     血友病の薬も作られているのね。

 父: このほかにも、遺伝子組み換えによって、「インスリン」や
     「成長ホルモン」や「インターフェロン」(肝がんの治療薬)や
     「エリスロポエチン」(貧血の治療薬)などが作られているよ。
遺伝子の異常によって発生する病気は
血友病が代表的な病気ですが
色々な遺伝的障害に苦しむ人々が
いるようです。山奥の血縁関係の強い
所ほど、その傾向が強く驚かされる事が
多くありました。現在では赤ちゃんが
生まれるとすぐに検査が出来
色々な面で改善が図られているようです。
この写真は料理講習会の様子です。
ごちそうが出来上がり頂く前の様子です。
早く、皆さん 席につかないかなー(^〜^)!