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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No72
げのむトーク

タバコはどれくらい怖い?
娘: いま、「タバコ」の税率を上げようという話が出てるね。
  大学でも、キャンパスを「全面禁煙」にしようという運動が盛んに
  行われているよ。私は、タバコの煙が苦手なので、禁煙になったら
  すごくうれしいけど、禁煙運動が盛り上がっているのはどうして?

父: タバコが有害だということは以前から知られていたけど、
  最近世界中で研究や調査が行われて、タバコの害が
  予想されていた以上に深刻だということが分かってきた。

娘: タバコを吸うと「肺がん」になりやすいと聞いたけど、
  実際にはどれくらいなりやすいの?

父: タバコによる「がん」は、もちろん肺がんが最も多いけど、
  タバコに含まれる「発がん物質」は肺から吸収されて体全体を
  循環するので、いろいろながんができるよ。ところで、日本人の
  死因のうち、がんはどれくらいか知っている?

娘: 3人に1人くらいでしょう?

父: そのとおり。死因のトップで、31%を占める。ところが、
  がんの原因の30%がタバコであることが明らかになった。
  つまり、死因のおよそ9%がタバコによることが分かった。

娘: 死亡者の10人に1人がタバコによるということね。
  1年に何人くらいになるの?

父: 1年の全死亡数が約110万人だから、タバコで死ぬ人は
  毎年約10万人ということになる。他の研究から11万人と
  いわれているので、見事に一致するね。

娘: わ〜 大変だ! がん以外にも心筋梗塞などに
  なりやすいのでしょう?

父: そのとおり。「動脈硬化」を起こして、「心筋梗塞」や「脳梗塞」に
  なりやすい。また、「COPD」(「慢性閉塞性肺疾患」)のほとんどは
  タバコによることが分かっている。

娘: COPDってどんな病気なの?

父: 肺(正確には「肺胞」)がすこしづつ壊れて、息が苦しくなる病気だ。
  「肺気腫」とも呼ばれる。ひどくなると、酸素ボンベが必要になり、
  いつも酸素ボンベを持って、死ぬまで数年〜数十年
  暮らさねばならなくなる。

娘: そういえば、タバコを吸っている人の肺の写真を見たことが
  あるけど、吸ってない人はきれいなのに、吸ってる人は真っ黒で、
  気持ち悪くて、びっくりしたよ。

父: タバコに含まれる「タール」を吸い込んで、それが肺に
  溜まっているのだ。時々タンカー事故で海や海岸が油で
  汚染されるけど、タールの溜まった肺はちょうどそんな感じかな。

娘: がんも怖いけど、息がだんだん苦しくなるのは、もっと怖いわ。

父: それに、タバコは「若さ」と「美容」の大敵だよ。「一卵性双生児」
  (遺伝子はまったく同じ)を対象にした最近の研究などで、
  喫煙によって「老化」が大幅に早まることが明らかになった。

娘: そうなんだ。それに、本人だけでなく、タバコの煙を吸うと、
  咳が出たり、頭が痛くなったり、気分が悪くなったりする人が
  たくさんいるよ。

父: 「受動喫煙」の害はタバコの最大の問題だ。タバコを
  吸わない人が、他人のタバコの煙を吸って、気がつかないうちに
  深刻な健康被害を受けていることが分かってきた。では次回は、
  受動喫煙について考えよう。