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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No73
げのむトーク

受動喫煙で毎年1万人が死んでいる!
娘: 「タバコ」の煙を吸うと、咳が出たり気分が悪くなるという話を
  したけど、レストランでタバコを吸う人がいると、くさくて、
  料理が不味くなるね。

父: ほんとにそのとおりだ。せっかくの料理も台無しだね。
  喫煙席と禁煙席を分けているところがあるけど、タバコの煙は
  部屋中に拡散するので、まったく意味がない。臭いや、
  料理が不味いのも困るけど、もっと困るのは、知らないうちに
  深刻な「健康被害」を受けていることだ。

娘: タバコの煙は、本人が吸い込む煙より、「副流煙」のほうが
  悪いと聞いたけど、ほんと?

父: そうだよ。本人はフィルターを通して吸うので、タールなどの
  かなりの部分は除かれるけど、「受動喫煙」の場合は
  そのままの煙を吸わされるので、予想以上に害が大きい。

娘: 「受動喫煙」による「健康被害」は、どれくらい分かっているの?

父: 受動喫煙による死亡者は、年間約1万人と推定されてる。

娘: 1万人というと、たしか交通事故による死亡が約6千人なので、
  大変な数字ね!


父: 受動喫煙によって死亡者が増えるだけでなく、
  前回説明したように、いろいろな病気を起こしやすくなる。
  職場や公共の場での受動喫煙も問題になるけど、
  とくに深刻なのは、「家庭での喫煙」だ。

娘: 家庭というと、大人同士の受動喫煙もあるけど、
  「子供の受動喫煙」が問題になりそうね。

父: そのとおり。「妊娠中の喫煙」や、家族の中に喫煙者がいると、
  「胎児の受動喫煙」が起こる。ところが、胎児は成人にくらべて、
  タバコの毒性が出やすく、いろいろな障害が起こる。
  「出生時の体重が減少」し、「周産期の死亡や奇形」などが
  増えることが知られている。

娘: わ〜怖いね。妊娠中はタバコは絶対にダメね。
  生後でも大人に比べて害が大きいのでしょう?

父: 乳児期に親がタバコを吸うと、「乳児の突然死」の危険が
  高まることが分かっている。また、子供のときに受動喫煙を受けると、
  「脳の発達障害」が起こり、「学力が低下」することが、
  はっきり示されている。

娘: 子供に責任がないのに、親の喫煙のために健康が障害されたり、
  学力が落ちたりするのはひどいね!

父: まだあるよ。子供の「誤飲事故」で一番多いのはタバコの誤飲で、
  全誤飲事故の約40%を占める。幸い、死亡事故は報告されていない
  ようだけど、「ニコチン中毒」の例が多数報告されている。

娘: そのほかにも、「歩きタバコ」は危険だし、街は汚くなるし、
  火事の危険もあるよ。まさに”百害あって一利なし”だね。

父: 実は、タバコ問題の大きな特徴のひとつは、近年タバコの害が
  大きくなっていることだ。

娘: えっ? それはどういうこと?

父: ヒトの「寿命」と関係がある。タバコの害は「ゆっくり蓄積」し、
  歳をとるとはっきり現れる。「がん」も「脳梗塞」も「心筋梗塞」も
  「呼吸障害」も、人生50年の時代にはあまり問題にならなかった。
  人間は、そんな病気が出る前に、死んでいたのだ。ところが、
  寿命が延びるにつれて、タバコによるこれらの病気がどんどん増え、
  深刻になってきた。

娘: なるほど。そういわれればそのとおりね。ところで、
  タバコを吸う人は、タバコを吸うと頭がスッキリして、集中力が出て、
  仕事の能率が上がるというけど、どうなの?

父: それは思い違いだ。タバコを吸う人は、タバコが切れると
  「禁断症状」がおこって、脳の働きが悪くなり、イライラしたり、
  集中力が低下する。それが、タバコを吸うと元へ戻るだけの話なのだ。
  タバコを吸う人が、タバコを吸わない人より、仕事の能率がよい
  という話は聞かないよね。逆に、喫煙者は、タバコを吸うために
  たびたび仕事を中断するので、能率が悪いという話はいっぱいあるな。

娘: タバコをやめたいと思っている人が多いようだけど、
  なかなかやめられないみたいね。どうしてなの?

父: タバコがやめられないのは、「ニコチン依存症」という病気の
  ためなのだ。次回にこの話をしよう。
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