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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No75
げのむトーク
 喫煙する権利はあるか?
娘: 前回の続きだけど、タバコを吸う人が言うように、タバコは
  [嗜好品]なの?

父: 確かに昔は嗜好品と考えられていた。しかし、「受動喫煙の害」や
  「ニコチン依存症」がはっきりした今は、タバコは嗜好品などではないよ。
  嗜好品は、味わいたいときに自由意志で味わうもので、やめたい時には
  いつでもやめられる。ところが、タバコは一見自由意志で
  吸っているように見えるけど、脳の強い要求・命令に従って
  吸わずにはいられない、いわばタバコの奴隷にされた状態だ。

娘: 「麻薬」や「覚せい剤」と比べると、どうなの?

父: 医学的には「依存性薬物」として、麻薬や覚せい剤と同等に
  扱われている(「国際疾病分類」第10版)。タバコは人格の崩壊を
  起こさないので甘く見られるが、依存性は多くの麻薬や覚せい剤より
  強いことが分かっている。

娘: わ〜そうなんだ。それでも、タバコを吸う人は、法律で
  禁じられているわけではないので、「喫煙する権利」があると
  主張しているのでしょう?

父: 実は、その権利もきわめて限られているよ。まず、
  「未成年の喫煙」は法律で禁止されている。それから、
  2003年に制定された「健康増進法」によって、「受動喫煙」が
  厳しく制限されている。

娘: それは知らなかったな。どんな内容なの?

父: 大切なので、全文を書いておこう。第25条 受動喫煙防止法: 
  「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示会、百貨店、
  事務所、官公庁施設、飲食店そのほか多数の者が利用する施設を
  管理するものは、これらを利用するものについて、受動喫煙を
  防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」
  と明記されている。

娘: ということは、こういう場所で受動喫煙が起こる可能性が
  ある場合は、喫煙してはいけないということね。でも、あまり
  守られていないよ。

父: そうなのだ。「禁煙教育」が不足しているのと、「罰則」が
  ないためだ。しかし、いくつかの自治体で「受動喫煙防止条件」が
  制定され始めており、今後は禁煙の動きが加速すると思うよ。

娘: 常識的に考えても、喫煙する権利があるとしても、
  他人に迷惑をかけないことが絶対条件だね。

父: そのとおり。しかし、喫煙するのにまったく人がいない
  ところなどほとんどなく、また吸ったあともしばらくにおうので、
  他人に迷惑をかけずに喫煙することは事実上困難だ。

娘: ちょっと話が変わるけど、「たばこ税」を「ニコチン」の量に
  応じて決めようという意見があるようだけど、どうなの?

父: いわゆる「軽いタバコ」だね。軽いタバコに変えても、
  健康へのメリットはまったくないことが分かっている。実は、
  吸い込むニコチンの量は変わらないのだ。

娘: えっ どういうこと?

父: それは、軽いタバコのからくりによる。軽いタバコは
  フィルターの部分に「穴」があけてあるため、吸うときに
  タバコの煙と一緒に空気を吸い込み、「ニコチン」や「タール」の
  濃度が下がる仕組みになっている。しかし、実際に吸い込む
  有害物質の量は、変わらないのだ。このことは、
  タバコ製造会社自身も認めているらしい。

娘: そうなんだ。そんなタバコを売るのは、フェアーではないね。
  では、「タバコの本数」を減らすのはどうなの?

父: ちょっと長くなるので、次回にしよう。

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