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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No79
げのむトーク

血液型と性格は関係があるか?

娘: 前回聞き忘れたけど、O型血液を例えばA型の人に
  輸血した場合、O型の人は抗A抗体を持っているのに、
  A型赤血球はどうして凝集しないの?

父: よく気がついたね! 輸血する血液量は受血者の
  血液量に比べて一般に少ないので、供血に含まれる抗体は
  希釈され、凝集が起こらないのだ。しかし、輸血量が多くなると
  凝集する危険があり、実際にはほとんど行われらい。

娘: それでよく分かったわ。遺伝の話に戻るけど、
  「血液型」は「メンデルの法則」にしたがって遺伝するよね。
  ところが、血液型が大人になって変わることがあると
  聞いたことがあるけど、ほんと?

父: 原則的には、血液型は遺伝で決まり、一生変わらないけど、
  ごく稀に変わるように見えることがある。その主な原因は、
  幼児期には抗体の量がまだ少なく、抗体を調べる方法で
  陰性と出ることがあるためだ。

娘: なるほど。ところで、A型、B型、AB型、O型の間で、
  有利な性質や不利な性質はあるの?

父: 輸血は人為的なものなので、これを除くと、メリット、
  デメリットはまったく知られていない。「ABO血液型と病気の関係」
  も見つかっていない。

娘: そうなんだ。血液型と性格の関係がテレビや週刊誌などで
  よく取り上げられるけど、関係があるの?

父: 血液型と性格の関係が話題になるのは、とくに日本で多く、
  ほかには韓国や中国、台湾などで、そのほかの国では
  ほとんど話題にならないよ。

娘: どうして日本で話題になるようになったの?

父: 1930年代に、「ABO血液型」と「性格」の間に関係がある、
  という研究が発表された。さらに1970年代に、その研究に
  基づいた説が一般書に大々的に紹介され、マスメディアに
  取り上げられ、急速に広まったことが分かっている。

娘: それで、本当に関係があるの?

父: その後多くの研究が行われ、ABO血液型と性格の間には
  まったく関係がないことが明らかになっているよ。

娘: そんな経緯があったのね。でも、血液型による性格判断は
  当たっているような気もするよ。

父: 先入観をもって見ると、そのように見えることがある。
  これは注意しなければならないね。科学的に考えても、
  糖鎖のわずかな違いと性格が関係するとは
  とても考えられないな。

娘: では、性格はどうして決まると考えられているの?

父: 難しい質問だ。あまり研究されていないと思うけど、
  「遺伝と環境」の両方で決まることは分かっている。
  遺伝については、多くの遺伝子が関係していることは
  間違いない。

娘: 性格とか感情とか「脳」の問題は難しそうね。でも、
  血液型と性格の話を楽しむだけならいいんじゃない?

父: それが、そうはいかないのだ。そういう偏見をもって
  人を見ると、その人の人格をゆがめる可能性があり、
  不当な差別につながる可能性がある。実際にそういう事件も
  あったようだ。

娘: そういわれればそのとおりね。これからは気をつけるわ。

父: われわれも気をつけないといけないけど、そういう
  非科学的な情報を流さないようにするのは、
  マスコミの責任と思うな。

娘: でも、血液型があるということは、なにか意味が
  あるのでしょう?

父: それについては次回にしよう。