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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No85
げのむトーク


 妊娠中はお酒は我慢してね

 娘: 前回の続きだけど、「肝炎」と「肝硬変」はどう違うの?

 父: 「肝炎」は肝臓が「炎症」(第24回)を起こし、肝細胞が破壊される病気で、
     全身の「倦怠感」や「黄疸」や「腹水」などの症状が出る。「肝硬変」では
     肝細胞の破壊が進み、「繊維化」が起こる病気で、破壊された肝細胞のあとに
     「コラーゲン繊維」で置き換わり、肝臓の機能が著しく障害される。
     その他にも、「慢性膵炎」の約半数はアルコールによると言われている。

 娘: アルコールも結構怖いね。でも、お酒は美味しいし、気持ちがよくなって
     ストレスも取れるし、よい面もあるよね。

 父: 昔から”アルコールは百薬の長”といわれるように、適量のアルコールは
     食欲増進にもなるし、血行をよくしたり、神経の緊張をほぐしたりと、
     メリットが多い。しかし大切なのは、飲みすぎないことだ。

 娘: アルコールはどれくらいまでならいいの?

 父: 厚生労働省の「健康日本21」では、適正飲酒が示されている。それによると、
     純アルコールとして1日約20グラム以下だ。日本酒にすると約0.7合、
     ビールだと大瓶1本弱、ウイスキーだとダブルで1杯弱にあたる。

 娘: 父さんは時々オーバーしているよ。前回の話からすると、女性はやや少なめが
     いいと思うけど、とくに「妊娠中」は注意が必要でしょう?

 父: そのとおり。妊娠中の母体と胎児は胎盤を通して つながっており、
     母体のアルコールは速やかに胎児に移行する。胎児は成人に比べて
     アルコールの悪影響が大きいので、少量の飲酒でも危険だ。とくに、
     胎児がAA型だと、生じた「アセトアルデヒド」がほとんど分解できないので、
     危険が大きい。

 娘: ある種の薬は、胎児の器官が形成される妊娠初期がいちばん危ないと
     聞いたけど、アルコールも同じなの?

 父: 妊娠初期の飲酒は大変危険だが、脳が目覚しく発達する妊娠後期も危険なので、
     妊娠全期間を通してアルコールを避けるのが安心だ。

 娘: 「授乳期」の飲酒はどうなの?

 父: 母親のアルコールは母乳に移行して、赤ちゃんが酔っ払うことになるので、
     やはりよくないよ。

 娘: 話は変わるけど、アルコールを飲むと、血液中のなんとかという酵素の活性が
     ワッと高くなると聞いたけど、どういう酵素なの?

 父: よく知っているね。「γ(ガンマ)ーグルタミルトランスペプチダーゼ」という酵素で、
     一般に「γーGTP」とよばれる。この酵素はアルコールに敏感に反応して
     上昇するので、アルコールによる肝障害の指標として用いられる。

 娘: また話が変わるけど、お酒を飲みつけると、強くなるってほんと?

 父: ほんとだよ。いままで話したように、エタノールはおもに
     「ADH(アルコール脱水素酵素)」と「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」で
     分解されるけど、ごく一部は「ミクロソームエタノール酸化系(MEOS)」とよばれる
     分解系で分解される。「ミクロソーム」は細胞の中にある「小胞体」と同じと考えてよい。
     この小胞体分解系は「薬物代謝系」の1つで、アルコールを飲み続けると、
     この分解系が「活性化」されてお酒に強くなるのだ。

 娘: お酒をたくさん飲む人は薬が効きにくいといわれるけど、関係あるの?

 父: すご〜い! 「アルコールと薬の関係」は大切なので、
     次回に話をしよう。



山都町のフォトクラブで写真の
展示会に出展しています。
22/5/1
アルコールの量はどれほど飲んでいたのでしょう
すでに遠い昔となった新婚時代。
厳格な両親の元、ほとんど飲む事は無かった
様に思いますが定かではありません。
元来、お酒の好きな私ですが娘2人を保育園へ
出し、勤めを始めた頃から少し(?)宴会で
飲んで帰宅した事を思い出します。
昔から”アルコールは百薬の長”といわれるように
適量のアルコールは食欲増進にもなるし、
血行をよくしたり、神経の緊張をほぐしたりと、
体に好いと聞いていましたね。
現在はお酒に弱かった主人の方を心配します。
少しだけの飲酒量なのですがC型肝炎ですからね。