宝箱へ戻る

からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No87
げのむトーク


 耳垢の遺伝

 今回は、耳垢の話の前半です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 父: 「血液型」や「お酒が強い弱い」が「メンデル遺伝」するという話をしてきたけど、
     「耳垢の遺伝」は知っている?

 娘: うん知っている。耳垢にはカサカサの耳垢とベタベタの耳垢があり、
     ベタベタのほうが強いのでしょう?

 父: そのとおり。カサカサは「乾性耳垢」、ベタベタは「湿性耳垢」という。
     湿性耳垢はベタミミとかアメミミとかよばれているな。乾性か湿性かは
     1つの遺伝子で決まるんだ。湿性の遺伝子を「W」,乾性の遺伝子を「w」とすると、
     Wが「優性」でwが「劣性」だ。では、湿性の人と乾性の人の遺伝子は分かるね?

 娘: 湿性の人は「WW」または「Ww」で、乾性の人は「ww」ね。
     湿性の人のほうが少ないと思うけど、どれくらいいるの?

 父: 日本全体では、湿性が約16%だ。この割合は地域によって異なり、
     北海道では約50%といわれている。そのほかのも、東北地方や北関東、
     南九州、沖縄に湿性が多いことが知られている。

 娘: それって、ひょっとすると「縄文人」とか「弥生人」とかと関係があるの?

 父: よく気がついたね。日本にはもともと「湿性の縄文人」が住んでおり、
     やがて本州に「乾性の弥生人」が流れ込んできたが、北海道や南九州、
     沖縄などにはその影響があまり及ばなかった、と考えられる。

 娘: わ〜面白いね。では、他の国ではどうなの?

 父: 湿性耳垢の割合は、「コーカソイド(白色人種)」と「ネグロイド(黒色人種)」では
     実に100%で、多民族国家のアメリカでは98%だ。台湾人は40%、
     韓国人は8%、中国人は4%だ。

 娘: そうなんだ。欧米人が体臭がつよいのはそのせいね。ところで、このことと
     先ほどの縄文人、弥生人の話は合っているの?

 父: 合っているよ。大雑把にいうと、ヒトはまず「ネグロイド」 と「ネグロイド以外」の
     分かれ、その後「ネグロイド以外」から「コーカソイド」と
     「モンゴロイド(黄色人種)」が 分かれた。そして、
     モンゴロイドがさらに分かれていくある時期に、
     湿性のWと乾性のwが分かれたというわけだ。

 娘: ということは、Wが古くて、wが新しく生じたということ?

 父: そのとおり。実は最近、その詳細が明らかになったが、
     ちょっと後で話すことにしよう。

 娘: では、湿性と乾性ではメリット、デメリットはあるの?

 父: それがよく分かっていないんだ。耳垢の成分には「リゾチーム」
    (細菌を溶かす作用を持つ酵素)などの「抗菌物質」が含まれているという
    報告があるが、ヒトでどれくらい大切なのか分かっていない。

 娘: その抗菌物質は湿性耳垢と乾性耳垢のどちらに多いの?

 父: よい質問だが、湿性耳垢に多いとも乾性耳垢に多いとも言われており、
     はっきりしていない。しかし、後から種明かしをするけど、最近の発見を考えると、
     抗菌物質が乾性耳垢に多いというのは間違っていると思う。

 娘: では、それは後で聞くことにして、耳垢と耳の病気は関係があるの?

 父: 耳垢と関係するのは外耳の病気、つまり「外耳疾患」ということになるが、
     湿性でも乾性でもほとんど変わらないといわれている。

 娘: 耳垢と関係する外耳疾患には、どんな病気があるの?

 父: まず、「耳垢栓塞」がある。耳垢が大量にたまって耳の穴を塞ぐ病気だ。
     耳が詰まった感じがし、耳が聴こえにくくなり、耳鳴りがすることもある。

 娘: そういえば、「高齢者」に多いと聞いたよ。

 父: 高齢者では気付かれずに放置されることがあるので、老人で耳の閉塞感や
     難聴がある場合は、耳垢栓塞を調べてみることが必要だ。

 娘: 実際にはどうすればいいの?

 父: 耳鼻科で調べてもらって、
     耳垢栓塞なら拡大鏡で見ながら取り出してもらうことになる。
     大きすぎたり固まっている場合は、液でふやかしてから取り出すことも行われる。

 娘: そのほかにはどんな病気があるの?

 父: 「外耳炎」があるが、長くなるので次回にしよう。


5月です、農作業の準備に忙しくなります
耳垢の遺伝、
結婚当初まで全然気が付きませんでした。
主人は「湿性耳垢」私は「乾性耳垢」
ベタベタの耳垢だから耳の病気かなーなんて
考えたものでした。主人の両親も「湿性耳垢」と
知り、これって「遺伝」と初めて知ったものです。
私は唐津市の方育ち、森先生の話の様に
本州に「乾性の弥生人」が流れ込んできたのが
私の先祖が中国、韓国の方からでしょうね。
たかが耳垢、耳垢からも知ることが出来る
人類の不思議、遺伝の不思議、そして
からだの不思議を教えて頂いています。
感謝致します。。