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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No100
げのむトーク

複数ヒット説

 娘: 「がん」が複数の「遺伝子変異」が重なって起こるという
     「複数ヒット説」を証明する証拠はあるの?

 父: 「複数ヒット説」を支持する「遺伝子研究」については後で話すけど、その前に
     「発がん物質」による「発がん」が参考になる。1900年代中ごろに、 ヨーロッパの
     染色工場とゴム工場で「膀胱がん」が多発したんだ。原因は、工場で使う
     「ナフチルアミン」という発がん物質であることが分かり、1970年には使用中止に
     なっている。その後、ナフチルアミンは「遺伝子変異」を起こすことが分かった。

 娘: 何割くらいの人が膀胱がんになったの?

 父: 「ナフチルアミンの被爆期間」と「がん発生」の関係を調べた調査がある。
     それによると、被爆期間が長いほどがんが早く発生し、発生率も高い。
     例えば、5年以上被爆した人の集団では、がんは数年から出始め、30年後には
     実にほとんどの人にがんが発生している。

 娘: わ〜 びっくりね。では、例えば5年以上被爆した人の体の中では、
     なにが起こっていたの?

 父: 膀胱がんが例えば5個の遺伝子変異で起こると仮定すると、5年間以上
     ナフチルアミンに暴露されている間に3〜4個の「がん関連遺伝子」に変異が
     起こっており、その後別の原因で1〜2個の変異が起こり、がんが生じたと
     考えることができる。この膀胱がんの結果は、「複数ヒット説」によく合致するよ。

 娘: そうなんだ。他にも同じような例はあるの?

 父: いろいろあるが、「原爆」による「白血病」などのがんの発生の様子もよく似ている。
     被爆が大きいほど、がん発症までの期間が短く、発症率は高い。

 娘: そういえば、被爆が小さかった人も、ずっと白血病などのがんの発症の
     危険にさらされているんだね。

 父: 「放射線」に被曝すると、細胞になにが起こるか知っている?

 娘: 放射線は遺伝子に変異を起こすんでしょう? つまり、「放射線」も「発がん物質」も
     遺伝子変異を起こして、がんが生じることが分かったよ。

 父: ところで、食品添加物などいろいろな化合物について発がん性を調べる必要が
     あるけど、どうして調べるか知っている?

 娘: 「実験動物」を使って、がんができるかどうか調べるんでしょう?

 父: 最終的にはそうだけど、すべての化学物質について
     動物実験をしていたら、実験動物が足りないし、実験も大変だね。

 娘: 確かにそのとおりね。では、どうするの?

 父: 発がん物質は遺伝子変異を起こすので、「細菌」を使って遺伝子変異を起こすか
    どうか、つまり「変異原性」を調べるんだ。この原理を使った「エイムス試験」が行われる。
    エイムス博士によって開発された方法だ。

 娘: エイムス博士はあたまいいね! つまり、細菌の変異原性を
     調べれば、発がん性が分かるというわけね。

 父: まあ大体そういうことだ。エイムス試験で変異原性が陽性と出た
    化合物について、動物実験が行われるんだ。

 娘: 言い方が微妙だけど、「発がん性」と「変異原性」とは完全には一致しないのね?

          (次回へ続く)
「遺伝子変異」が重なって癌が出来ると言う
ことですね、私の父は戦争から帰り数年して
から癌になり他界しましたが
何が原因で癌が発生したのか分からないまま
幼心に焼き着いた父の姿、高帽子にマント姿で
遠い福岡の国立病院へ1日かけて治療に
出かけていた事を思いだします。
この写真は山都町のいきいき大学の研修旅行
で荒瀬ダムへ出かけた様子です。
解体前のダムを見て大役を果たし終えた
威厳さを感じた所です、お疲れ様でした。

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