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からだの不思議
今からでもからだを大切にしたいとの思いで
森 正敬先生(ハンドルネーム:げのむ様)に
お願いし、「げのむトーク」を連載いたします。
No95
げのむトーク

高血糖を放っておくとどうなる?

 糖尿病シリーズ6回中の第5回です。

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 娘: 「高血糖」を放っておくと、どうなるの?

 父: 高血糖をコントロールせずに放っておくと、10〜15年くらいで
     いろいろな「合併症」が出て来るが、これが怖いんだ。

 娘: 「糖尿病の3大合併症」ってあったよね(第91回)。

 父: よく覚えているね。「糖尿病性神経障害」と「糖尿病性網膜症」と「糖尿病性腎症」だ。

 娘: 簡単に説明して。

 父: 「糖尿病性神経障害」は合併症の中で最初に現れることが多い。
     「下肢のしびれ感(知覚異常)」や「痛み」、「発汗異常」、「立ちくらみ」、
     「男性インポテンツ」など、いろいろな「末梢神経異常」や「自律神経異常」が起こる。

 娘: では「糖尿病性網膜症」は?

 父: 目の底にある網膜の血管が「動脈硬化」を起こし、つまり悪くなり、
     「視力が低下」する。ひどいときには失明することもあるよ。

 娘: わ〜怖いね! では「糖尿病性腎症」は?

 父: 血液をろ過する「腎臓の糸球体」(第18回)が障害され、尿がちゃんと作れなくなり、
     「腎不全」になる。そうすると、「人工透析」が必要になる。現在、
     人工透析を受けている人で最も多いのが、糖尿病性腎症だ。

 娘: これも大変ね。糖尿病がなぜ怖いか分かったわ。
     3大合併症のほかにもあるんでしょう?

 父: 「筋力低下」や「白内障」、「緑内障」、「高脂血症」、「骨粗しょう症」などが起こってくる。
     ひどいときには下肢の壊疽(「糖尿病性壊疽」)が起こり、足を切断しなければ
     ならなくなることもある。さらに、いろいろな「感染症」にかかりやすくなる。

 娘: なんでもありという感じね。

 父: 全身に「動脈硬化」が起こるとともに、体の細胞が「エネルギー不足」になるのだから、
     体のあちこちがやられるのも不思議ではないね。

 娘: ひどくなると、「アシドーシス」になると聞いたよ。

 父: よく知っているね。血液の「pH」はおよそ7.4に保たれているが、
     pHが酸性になる状態を「アシドーシス」という。

 娘: 糖尿病では、どうしてアシドーシスになるの?

 父: 糖尿病は血糖、すなわちグルコースが使えない状態なので、エネルギー源として、
     「脂肪酸」を分解して「ケトン体」に変えて使う。ところが、
     ケトン体は酸性物質なので、アシドーシスになるんだ。

 娘: 「ケトン体」は悪玉だって聞いたことがあるよ。

 父: それではケトン体がかわいそうだ。確かにケトン体が多くできるのはよくない
     状態だけど、ケトン体はグルコースの代わりの「非常用燃料」、
     すなわちピンチヒッターなんだ。ケトン体は糖尿病のほかには、「飢餓」の時に
     産生される(この場合にはグルコースが不足する)。前に、「脳」はグルコース
     しか食べない(つまり、脂肪酸やアミノ酸は食べない)と言ったけど、
     ケトン体はけっこう食べるんだ。

 娘: そうなんだ! では、糖尿病の治療はどうするの?

 (次回に続く)


杉林の中の農道に写る影
高血糖をコントロールせずに放って
おくと、10〜15年くらいで いろいろな
「合併症」が出て来るそうですね。
「糖尿病の3大合併症」と言われる様な
病気が出たり、その他、全身に
「動脈硬化」が起こるとともに、体の細胞が
「エネルギー不足」になるのだから、体の
あちこちがやられるのも不思議ではないとか。
本当に怖い病気ですね。
まずは成らない為に予防に全力を尽くし
後は自然体で行きたいものです。